米国のワシントン首都圏交通局の地下鉄次世代車両「８０００系」の発注先に日立製作所のグループ会社が選ばれたとのニュースがありました。
地下鉄車両最大800両。受注額は最大22億ドル（約2400億円）で、日立の鉄道事業では米国で過去最大の案件となるそうです。
「ダンピング（不当廉売）と言えるような好条件で受注を狙っていた」（関係者）とされる中国の鉄道車両世界最大手、中国中車（ＣＲＲＣ）との受注合戦を制したことになります。
この他にも、日本製電車は世界中の多くの国や地域に輸出されています。
今回は、その理由を調べてみました。
日本製電車の輸出先
アジア、オセアニア
アジアやオセアニアでは、日本と同じレール幅の国が多いため、日本製電車が活躍しています。
例えば、台湾では、高速鉄道や地下鉄に日本製電車が使われています。
また、北米では、日本車両が1982年から約1000両以上の車両を納入しており、2階建ての通勤型車両が人気です。
ヨーロッパ、中南米、アフリカ
① ヨーロッパ
日本製電車は、イギリスやイタリアなどに輸出されています。
特に、日立製作所は、イギリスの次世代鉄道プロジェクトで約3000億円の受注を獲得しました。
② 中南米
日本製電車は、ブラジルやメキシコやチリなどに輸出されています。
例えば、ブラジルでは、サンパウロ地下鉄やリオデジャネイロ地下鉄に日本製電車が使われています。
③ アフリカ
日本製電車は、南アフリカ共和国やエジプトなどに輸出されています。
例えば、エジプトでは、カイロ地下鉄やアレキサンドリア市交通局に日本製電車が使われています。
日本製電車の海外輸出の方法
中古車両の売却
日本で使用された電車や客車を、海外の鉄道事業者に売却する方法です。
これは、低コストで高品質な車両を提供できるというメリットがあります。
新造車両の受注
日本の鉄道車両メーカーが、海外の鉄道事業者からの発注に応じて、新たに車両を製造する方法です。
これは、最新の技術やデザインを反映できるというメリットがあります。
技術協力やコンサルティング
日本の鉄道関係者が、海外の鉄道事業者に対して、鉄道システムの設計や運営などに関する技術やノウハウを提供する方法です。
これは、日本の高い信頼性や安全性を伝えることができるというメリットがあります。
日本製高速鉄道の優秀性
日本の高速鉄道は、他国製の高速鉄道と比較して、以下のような優れた点があります。
安全性
新幹線は、1964年の開業以来、乗客の事故死者数ゼロを継続しており、世界一の安全性を誇っています。
また、日本の高速鉄道開発技術は、地震や台風などの自然災害にも強く、独自の技術により安全性を高めています。
運行本数と時間の正確さ
新幹線は、高い輸送密度にもかかわらず、際立って多くの本数を運行しており、時間の正確さも抜群です。
例えば、東北新幹線は1時間に4〜6本、北陸新幹線も2〜4本が運行しており、5〜10分の遅延でも「遅れた」と感じるほどです。
他国の高速鉄道では、6両程度の車両が1時間に1本ぐらい運行しており、数十分遅れるのは日常茶飯事です。
環境負荷
新幹線は、他国製の高速鉄道と比較しても低いエネルギー消費量とCO2排出量を実現しています。
例えば、英国で走る日立製の高速列車は、従来型と比べてエネルギー消費量が約20％削減されており、CO2排出量も約70％減少しています。
以上のように、日本の高速鉄道は、他国製の高速鉄道と比較しても優れた技術力や信頼性を持っています。
日本の地下鉄車両の優秀性
冒頭でお伝えしたように、中国ほか外国メーカーとの受注合戦を制して日本の地下鉄車両がアメリカで採用されました。
日本の地下鉄車両は、中国や他の国の地下鉄車両と比較して、どのような優れた点が評価されているのでしょうか。
安全性
日本の地下鉄は、高い輸送密度にもかかわらず、低い事故率を実現しており、地震や火災などの防災対策にも力を入れ、安全な運行を確保しています。
定時性
日本の地下鉄は、台風などの天候の影響を受けずに走行することができるため、時間の正確さに優れています。
例えば、東京メトロでは、平均遅延時間は1日あたり約0.5分という驚異的な数字を記録しています。
他国の地下鉄では、数分から数十分の遅延が頻繁に発生しています。
快適性
日本の地下鉄車両は、乗客の快適さを考えた設計やサービスにも工夫がされています。
例えば、空調や照明、座席やドアなどの機能やデザインは、乗客の利便性や快適性を高めるために改良されています。
また、日本の地下鉄では、女性専用車両や優先席などのサービスも提供されており、乗客の多様なニーズに応えています。
以上のように、日本の地下鉄車両は、中国や他の国の地下鉄車両と比較しても優れた安全性や定時性、快適性を持っている点が外国から評価されているのです。
感想（私たちが学ぶべきこと）
日本製の鉄道車両は、長年にわたって培われた技術や経験をもとに、乗客のニーズや安全性を重視した製品やサービスを提供しています。
これは、他国製と比べても優位性を持つことができる要因です。
企業や個人は、日本製の鉄道車両から、以下のようなことを学ぶことができます。
① 顧客満足度を高めるためには、品質や信頼性だけでなく、利便性や快適性なども考慮することが重要です。
② 競争力を維持するためには、最新の技術やデザインだけでなく、自然災害などに対応できる防災対策なども必要です。
③ 海外市場に進出するためには、現地の環境や文化に合わせたカスタマイズやサポートなども行うことが必要です。
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