電車の遅延による損害賠償はいくら?自殺や薬品漏れなどの事故の場合

そこのところ知りたい

10月9日、東北新幹線「はやぶさ52号」の車内でカバンから薬品が漏れ、乗客がやけどをするなどしたため、その後「はやぶさ52号」が運休したそうです。

毎日の通勤に電車を利用している妻が、このところ「人身事故」による電車の遅延がよくあるとこぼしています。

個人が原因で電車を止めてしまった場合、鉄道会社からいくら位の損害賠償請求をされるのでしょうか。

電車の遅延を引き起こす可能性がある行為

電車の遅延を引き起こす可能性がある行為は以下のようなものがあります。

乗客同士の喧嘩

乗客同士が争い始めると、その場を収拾するために電車が停止することがあります。

痴漢対応

痴漢被害が発生した場合、被害者や他の乗客が駅員に報告し、対応するために電車が停止することがあります。

この場合、被害者は加害者に対して慰謝料を請求することが可能です。

急病人対応

乗客が急病になった場合、救急対応のために電車が停止することがあります。

この場合、鉄道会社が乗客から損害賠償を求めることは通常ありません。これは、人命救助の観点から緊急停止が行われるためで、その際に発生する遅延については乗客の責任とはされません

これらはいずれも「お客様対応」というカテゴリーに含まれる事象で、これらが発生すると電車は遅延する可能性があります。

10分未満の遅延では乗客が原因となることが多く、30分以上の遅延では乗客以外の人や事業者側(車両故障や施設故障、保守作業ミス等)、災害が原因となるケースが多いです。

人身事故

「人身事故」というアナウンスは、電車と人が接触した事故を指します。

これには、自殺の試みだけでなく、事故や誤って線路に落ちた場合なども含まれます。

したがって、「人身事故」が必ずしも「自殺」を意味するわけではありません。

しかし、統計によれば、電車による人身事故の中には自殺の試みが一定の割合を占めています。

そのため、「人身事故」のアナウンスを聞いた場合、それが自殺の試みである可能性も否定できません。

電車を「故意」に遅延させた場合

電車を「故意」に遅延させた場合は、鉄道会社に対する損害賠償責任が発生します。

具体的な損害としては、遅延によって失われた運賃収入、他の事業者に支払う振替輸送費、人身事故の場合の破損した車両の修理費などが考えられます。

「業務上過失」による遅延の場合

10月9日の東北新幹線内で発生した薬品漏れによる運休は、「業務上過失」とされています。

「故意」ではない「業務上過失」による新幹線の運休の場合でも、損害賠償請求がなされる可能性はあります。

しかし、実際に行為者に対して全額の損害賠償請求が行われるケースは稀で、鉄道会社が行為者(または遺族)に接触し、損害賠償に関する示談を提案するケースが多いそうです。

特に人身事故の場合、復旧までに多くの時間と工程を要し、さらに遺体処理や車両の修理などにも多額の費用がかかることから、客観的な損害はきわめて高額に及ぶ可能性があります。

それでも実際には、鉄道会社が損害全額の賠償を強硬に請求することは少なく、数百万円程度の請求にとどめるケースが多いです。

だとしても、簡単に支払える額ではありません。

賠償責任保険

このような事態に備えるものとして「賠償責任保険」があります。

賠償責任保険とは、個人の日常生活や企業の業務上などで起こる偶然な事故(他人に身体の障害または財物の損壊を与えるなど)によって賠償責任を負った際に賠償金に弁護士の費用等、訴訟費用等を含め保険金が支払われる保険です。

電車と衝突し、電車の車体に損傷が生じた」など物理的損害を伴う電車等の運休・遅延の営業損害は、現行の賠償責任保険(個人賠償責任特約、対物賠償責任保険)において補償の対象となるそうです。

だからといって、事前にこのような事態を予想して、保険に入る人はあまりいませんよね。

いざとなれば、自分の支払い能力を元に鉄道会社と協議し、可能な金額を設定して示談にもっていくしかありません。

ただし、「高額の損害賠償を請求されることはない」「訴訟まで起こされることはない」という具合に、たかを括って行動するのは危険です。

高額の損害賠償請求や訴訟の提起は、あくまでも鉄道会社の判断によって差し控えられているに過ぎません。

客観的には損害賠償責任は発生するのであって、鉄道会社の方針次第では徹底的に請求を受ける可能性がある点にご留意ください。

まとめ

電車の遅延による損害賠償は、その原因や規模によって異なりますが、鉄道会社から行為者に対して請求される可能性があります。

特に人身事故の場合、客観的な損害は非常に高額になることが予想されます。

しかし、実際には鉄道会社が全額の賠償を求めることは稀で、示談によって解決するケースが多いです。

このような事態に備えるためには、賠償責任保険に加入することが有効ですが、それでも自分の支払い能力を考慮して協議する必要があります。

電車を故意に遅延させた場合は、損害賠償責任が発生することは明らかですが、業務上過失による遅延の場合も同様です。

電車の遅延は多くの人々に影響を及ぼすだけでなく、自分自身にも重大な責任を負わせることになります。

そのことを忘れずに、電車を利用する際には注意しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました